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スキー・ビンディングを自分で付ける

押さえるポイントは次の四点。
(1)スキー長手方向、ブーツセンターを決める。

(2)スキー横幅方向、スキーセンター出し。

(3)ドリリングにご用心。貫通させない、穴の深さはビンディング取り付けねじの長さまで。
   この<穴の深さ>が重要。長ければ貫通、短ければソールを剥離させる。ソールから出る
         ネジ長+0.2程度が理想。

(4)ポジビット・ドライバーで、穴のネジ山を潰さない。ビンディングの底面を板に密着させる
         まで。ここでも<密着>が重要。ビンディング底面とスキーソールの隙間を光に透かして
         ビンディングが浮いていないことを確認する。
   密着させれば面接触、浮かせれば点接触。耐衝撃性の違いはあきらか。

この四点。長々と書くとこうなる。以下。



1.ペーパー・テンプレイト
 取り付けるビンディングのメーカー・型番にあった<ペーパー・テンプレイト>を
   ダウンロード。ダウンロード・サイトは、

 もしくは、
   こちらには<Marker Kingpin>のテンプレイトがある。

 ペーパー・テンプレイトの使い方は、次の動画で確認。
 タイトル名は、How to mount snow ski bindings。これが一番わかりやすい。

2. スケールチェック
 印刷したペーパー・テンプレイトのスケールの確認。
   Check your print scaling 20cm で確認。

3. 貼り合わせ
 ヒール側、トウ側二枚に分かれているテンプレイトを一枚に貼り合わせる。
   貼り合わせ方は動画を参考。正確な位置だしは次の手順。

 ① トウピースをペーパー・テンプレイト上のネジ位置に置く。

 ② 動かさぬようにブーツをトウピースに嵌め込む。ブーツのセンターマーク位置で
       ペーパー・テンプレイト  に印をつける。

 ③ 印を付けたメモリ位置に、ヒールペーパー・テンプレイトの同じメモリ位置を合わせる。

 ④ セロテープ等で二枚を張り合わせるが、ペーパーセンターラインが
       一直線になるように注意。

 ⑤ ペーパー・テンプレイトの幅はスキー幅より狭くするのが適当。
       こうすればOHPフイルムは不必要。

 さらに正確な位置出し方法は次の通り。
 ① <木の切れっ端>をホームセンターとかでもらってくる。練習にもなる。
 ② 切れっ端にトウ側ペーパー・テンプレイトを置き、トウピースを被せてネジ位置で仮付け。
 ③ 可能なら、ヒールピースも仮付けしてみる。
 ④ ブーツセッティング。
 ⑤ ブーツセンターマーク位置でペーパー・テンプレイトに印を付ける。
 ⑥ ブーツを取り、ネジをほどき、付けられた印のメモリを読み取る。
 ⑦ もう一枚、新しくトウ側ペーパー・テンプレイトを印刷して手順1と同じように張り合わせる。

トウピースのネジ位置がブーツセンター、ヒール取り付け位置を自動的に決定する。
つまりすべての基準となる。

with boots

4.貼り合わせた状態
 よくよく見るとHeel/Toeのサイドラインに横ずれがある。しかしセンターラインが一直線に合っていれば問題はない。でなければ最終的にヒールピース/トウピースがずれてしまう。
before cut

5. ペーパー・カット
 ペーパー・テンプレイトの貼り合わせ位置(ブーツセンタのはず)で、絵のようにペーパーをカット。板の幅側センターを出すさいに、目視しやすいように。これは動画で教えてもらったこと。
 下の絵はブーツのソール長が、例えば300mmの場合。
after cut

6. 板のセンターマークから任意の位置に、ボールペンで線を引く。
 直が嫌なら<メンディングテープ>でも貼って。 
 センターマーク(コアセンター)から何センチうしろにずらすかは好み。core-center そのものか、traditional位置か、はたまた all-mountain を選ぶのかは、気分と趣味と感覚と経験によって。 
 線を引っ張るには<シンワ測定 Shinwa Rules [一発止型定規 ポリカーボネート]>のような定規=道具があれば楽。カーブしたサイドから反対側に向かって直角に引けるわけもなく、それでも引こうというのだから大雑把でもなんでもいい、藁だ、何か、縋り付くものがあれば助かる。
 こんなもの、
shinnwa_定規
7. ブーツセンタの確認
 引いた線に、ペーパー・テンプレイトの切り欠きを合わせる。置いて、メンディングテープで動かないように留める。仮留め。
 ブーツをテンプレイト上に置いて、スキーサイド、床位置から直角三角定規をブーツに沿わせるように立てて、一辺がブーツ・センターマークを通るかどうか確認するのもいい。これまでの論理的な手順に手の震えが加われば、そりゃ、間違うこともあるでしょう。ペーパー・テンプレイトはただの目安、手順も間違う、大事なことは自分の頭と手と考えと自信で一つずつ片づけてゆくこと。自戒を籠めて。
 
8. スキー板、横幅側のセンター出し
 ペーパー・テンプレイトをソールに向かってグルッと巻く。テンプレイトの印刷されたメモリが、左右のエッジのところで同じ位置に来るように、小さくずらしながら調節する。大体、合えば、今度はメンディングテープを本留めする。ヒール側が済めばトウ側へ。できれば板の上でテンプレイトが浮かない、たるまないように。
 終えたら、ここでも<シンワ測定 Shinwa Rules>の出番。おおよそ90度の出た定規でテンプレイトに印刷されたネジ位置とスキー両サイドの距離を図って安心する。まあ、基本的な考え方はコンマmmのオーダー。ミクロンオーダーの位置決めは必要ない。、はず。

9. ポンチ
スキー・ビンディングを自分で付ける_e0341021_09510606.gif
punch, puching, ポンチで打つ、ポンチを打つ、ともかくペーパー・テンプレイト上のこんなマークのド・センターに超硬金属棒の先端をあててハンマーで叩く。オッカナビックリダガ、できる凹みはそんなにも深くない。非力か、板が硬いのか、頭がひ弱なのか。全マークに。


10. 板からペーパー・テンプレイトを外す。
 ポンチ穴の窪みを頼りにマジックで印を付ける。その意図は、用心のため。ドリルビットをポンチの穴に当てる時に目視があったほうがより快適。あまり深くない窪みだからビットの先端がよろめく、うごめく。このとき目線でしっかりと抑え込む。このあと再度、<シンワ測定 Shinwa Rules>で間隔を確認。しつこいぐらいに。

11. この段階で、左なら右、左なら右の板の処理に取り掛かる。
 ここまで進めば、少しは手慣れているだろうし、手慣れたままで同じ作業をもう一度繰り返すのが手堅い。そうして、これが一番の理由なのだが、ここで、つまりポンチで穴うち、マジックで目視、ビンディングがついていない段階でしか左右の板を見比べながらの確認が出来ないということ。で、わたしはいつも、板を変える、同じ作業を繰り返す。

12. ドリリング - 準備
 ポンチ穴=マジックマーク位置の板の厚みを計測。ここで使用するのはノギス。これなしではどうするのか、わからない。必須か、わからない。各自の判断でしょう。多分ですが、おそらくは板厚は10mmはある。全ポイント、メモ。ノギスの使い方はどこかのサイトを参照。
 一方、フリーの状態のビンディングにネジを差し込む。全ネジ。底面から突き出したネジの長さを一本一本測る。先ほどの板の厚みのメモと照合。標準的には?板が11-12mm、ネジのとびだしが7-8mm。これ以上にとびだしが大きいと、サンダーでネジのしっぽをカット。

13. ドリリング - ドリル・ビットとドリル・ストッパー
 ドリルビットは3.8mm。4.0mmでもいいようだがわたしの好みはキツメデ、3.8。安心。
 ドリルストッッパーは必須。スターエム 品番5005-040 4mm用。ビットの溝の部分にレンチで装着。しかし、装着しているからと言って、これが緩む、容赦なく緩む。何度も、一穴開けるごとに装着位置を確認してみるほかに緩まさない手はない。緩むたびに悪態をつきながら、どうにかならないかと考えるが、どうにもならない。一穴あけるごとに確認、確認。これ以外ないし、これでどうにかなる。こんなところに参考動画。参考になるかどうか。

14. ドリリング - ドドリリング
 できるだけスキー板上面に対して垂直に。しかしわたしの場合はややいい加減。努力はする、しかしコンマmmのオーダーだから、むやみに神経質になる必要もない。自分の感覚を信じて垂直のはずだ、垂直だ、思い込めばそれで可。ただし神経質ならDIYで垂直ドリルツールを自製してください。

15. 全ネジ穴あけ完了、ドリル削りくず掃除。彫刻刀を使ってのバリ取り。
終われば長手方向、横幅方向からのドリル穴位置を確認。ずれていればP栓で塞いで、再度、穴あけをやりなおし。

16. 仮置き-接着剤
 ビンディングを板の上に置き、ネジ穴にネジを差し込んで(差し込むだけ)軽く板穴にに仮付けする。全ネジか想定通り、想定以上に位置にきていれば、外して接着剤を穴に入れる。接着剤は、わたしはエキポシ、木工ボンドを避ける。理由はない。感覚的。ねじゆるみ止め用 嫌気性接着剤も同様。完全?接着を望み、取り外しは考えないから、例えばセメダイン [メタルロック]を使う。信仰の問題か?

17. ポジビット・ドライバー
 接着剤が乾かないうちに、手早く、慎重に取り付けネジをポジドライバーでねじ込む。手締め。<ベッセル(VESSEL) メガドラ ポジドライバー PZ3×150 903>これは必須。
 ヒール部、トウ部、左右ともにビンディングの底部が板に密着するまでねじ込む。透かして見る。もし、ここでネジ穴の深さが足りないとアウト。仕方ない、ネジを外して、再度、ドリリング。汚かろうと自己嫌悪に陥ろうとも最後まで貫徹する他にない。一旦、港を出れば、船は帆を張り続けなければならない。

18.どこまでも自己責任で。Have fun skiing !!

<スキー・ビンディングを自分で付ける>の項、終わり。

by syokado | 2018-12-08 07:26 | スキー | Trackback